2012.04.12 Thursday

放射性物質汚染対処特措法施行規則改正案に対する意見(パブコメに補足しました)

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    「放射性物質汚染対処特措法施行規則改正案に対する意見」

    環境省の改正案:「事業活動に伴い生じた廃棄物については、対策地域内廃棄物から除外し、当該廃棄物を排出した事業者が、事業系一般廃棄物又は産業廃棄物として、自ら処理を行うこととする。」

    ●意見の要約 :
    本改正案は、全国の住民に無用な放射線被曝を強制する人権無視の法案である。特に子どもや胎児の健やかな成長を第一に考えるべき国の本来の政策の対極にあり、絶対に容認できない。
    ●意見及び理由 :
    <意見> 警戒区域・計画的避難区域内の放射能汚染度の低い残留物や廃棄物であってもこれらを一般廃棄物あるいは産業廃棄物として処理してよいことにする規則改正は、絶対に容認できない。
    <理由> この改正案には、以下のような問題がある。

    (1) (放射能物質処理の一般原則)
    放射性物質は、封じ込め、拡散させないことが国際的な原則である。放射性微粒子による内部被曝は少量といえども大きな危険が存在することは常識となっている。従って、放射能に汚染された物は「拡散してはならない、燃やしてはならない。」これが人間の命と環境を保護する鉄則である。

    1)放射能汚染された廃棄物を汚染地域外に持ち出すことは、いのちに危害を及ぼす放射性物質の存在地域を広げることであり、持ち出しはしてはならないのである。放射性物質を原発では「封じ込める」ことに務めていたはずが、いったん爆発して外に出ると「拡散させる」は如何に不見識で乱暴な行為であることかを、法治国家として認識すべきである。

    2)放射能汚染度が高いところに野積みにされたりした廃棄物には放射能汚染があることは言うまでも無い。本特措法はこれら高度の放射性汚染物質を汚染の低いところに持ち出すことであり、行ってはならないことを「法」の名を持って、実施させることであり、かかる規則改正は行ってはならない。

    3)廃棄処分される多くの場合いったん焼却される。焼却処理すると2次被害を作り出す。瓦礫に放射性物質が付いているままでも、大気、地下水、漂流水、海水、土を介して自然生活環境を汚染するので、汚染物と自然生活環境は遮断しなければならない。しかしこれを燃やすと、さらに厄介な健康障害の原因物質が生み出される。吸い込んだり食べたりできる姿に変えてしまうのである。放射性微粒子が空気中に広がったり、残灰が一般ごみと同じ処理をされて、再利用されて生活の場を被曝させる状態に持ち込むことは、厳禁である。生活の場近くに再利用されたり、田畑にまかれたりすることはさらに被曝を住民にもたらすこととなる。焼却という2次被曝の操作だけでなく、一般ごみと同様に処理することは、焼却と同様な2次被害を及ぼすこととなり、放射能汚染物質の処理の原則に反する。

    いのちと環境を守るための鉄則を破り、国や行政が決して行ってはならない「市民の健康を傷つける可能性」を開き強制する本特措法案は、誠意と配慮に欠けた最悪の法案である。

    (2) (つじつまの合わないダブルスタンダード)
    我が国の現状は、事業所(原子力発電所)内から排出される放射性セシウム(Cs-137 )が100ベクレル/キログラム以下(「原子炉等規制法」)の低レベル放射性廃棄物は、ナベやフライパンなどの台所用品や公園のベンチなどに
    リサイクルすることが認められている(クリアランス制度)。この点は、去る3月26日衆議院第一議員会館で開催された環境省交渉でも、厳しく追及されたきわめて重大な問題点である。ヨーロッパでは、1997年クリアランス法がEU議会に提出されようとしたとき、低レベル放射性物資による内部被曝の危険性に留意して、放射性物質の拡散を容認する同法案は阻止されたという経緯がある。クリアランス制度は国際的にも厳しく批判されている制度である。本来、日本政府も、本「放射性物質汚染対処特措法」はもとより、放射性物質のクリアランス制度も廃棄するべきである。

    ところが、政府は、昨年6月、事業所外では放射性セシウムが8000ベクレル/キログラム以下の廃棄物について、一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)での埋め立て最終処分を認め、8月には8000ベクレル以上、10万ベクレル以下の焼却灰などまで一定の条件下の管理型最終処分場(ビニールシートなどによって地下水への移行が遮断されるというが、ビニールシートなどの劣化は早く、地下水は早晩放射性物質によって汚染されると考えなければならない)への最終処分を認めた。さらに12月には、管理保管できる遮断型処分場の場合は10万ベクレルを超えるものまで処分できるようにした。遮断材であるコンクリートの寿命はたかだか数十年であることを考えれば、このような措置は市民の健康と環境保護の視点に欠ける。

    そもそも、わが国の現状は、原子力施設外の市民生活の場における汚染許容基準が原子力施設内の80倍から1000倍以上という、完全に転倒したダブルスタンダード(二重基準)が野放し状態になっており、決して容認できるものではない。

    (3) (住民の健康と環境こそ守るべき本体)
    放射能汚染度が極度に高いために設定された警戒区域・計画的避難区域から出る廃棄物を、「事業系一般廃棄物又は産業廃棄物」として処理することは法理に反するものである。

    そもそも政府は憲法25条に基づき、国民の文化的で健康に生きる生存権を保護し、その忠実な実施に徹すべきであるが、上記のような措置は、国民の命と環境保全をあまりにも軽視するものである。

    一般市民が「事故が起こったから放射線に対する抵抗力が20倍になる」はずはないが、政府は事故直後、公衆に対する被曝限度値を1ミリシーベルト/年から20ミリシーベルト/年に引き上げた。この特措法はそれらと同様、法の視点から国民保護を捨て去ったものであり、許されるものではない。

    (4) (特に焼却処理について)
    現時点での放射性物質の主成分は放射性セシウムである。セシウムの沸点は他の多くの金属類と比較して低く、678℃ほどであり、融点は28.4℃である。(融点以上ではセシウムは液体であり、沸点以上では気体となる。)一般焼却炉ではダイオキシン発生を避けるために燃焼温度を800℃くらいに保つ定温燃焼をしている。しかし、800℃では放射性セシウムは完全に気体状態になる。とくに問題なのは蒸気圧の高さである。蒸気圧とは、例えば、水は100℃で沸騰し、それ以下では液体であるが、100℃以下でも空気中に気体状態の水分が含まれている。通常空気中に含まれる水分を“湿度”と呼び日常生活に溶け込んでいる。これと同様に、バグフィルターの通過ガス温度約200℃でも放射性セシウムは100パスカル(1000分の1気圧)ほどの蒸気圧があり、これら気体状態の放射性セシウムはバグフィルターに捕獲されることはない。

    さらに、融点が28℃近辺と低いことは放射性セシウムの原子としての結合力が低いことを意味し、200℃ほどのバグフィルター通過温度では、仮に放射性セシウムが単体であるとした場合は液体であり、固体微粒子となる他の物質に比べて極めて通過しやすい。他の原子などと結合して、微粒子になるとしても原子の結合力が他の大方の金属等に比べて弱いために、大きい微粒子は形成しにくい傾向にある。一般のごみ処理用に設計されているバグフィルターでは、かなり大量に空気中に漏れていくことが予想される。

    加えて、セシウムに比べ骨や歯への蓄積性はるかに高いストロンチウム90や極めて毒性の強いプルトニウム239を無視した現行の対応は、決して容認できるものではない。

    以上のように一般ごみと同様に焼却する場合には、セシウムの漏洩は大量であることが予測され、放射性がれきの汚染ゴミも一般焼却炉では処理してはならない。従って、本法案が前提としている「一般ごみ同様に」処理する方法には大きな問題がある。もし、焼却する場合の鉄則は専用炉で行わなければならない。依って本施行規則改正案は認められない。
                                                     以上


                                                  2012年4月9日
                                        市民と科学者の内部被曝問題研究会
                                            (略称 内部被曝問題研)
                                                代表 澤田 昭二     




    2012.03.10 Saturday

    東日本大震災一周年追悼メッセージ  2012年3月11日 市民と科学者の内部被曝問題研究会 代表 澤田昭二

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      東日本大震災の一周年を迎え、あの巨大地震・津波によっていのちを奪われた1万数千人の御霊とご遺族の皆さまに、心より哀悼の意を表します。

      また、東電福島第一原発事故に際し、政府と東電の無為無策によって、原発事故現場でいのちを奪われた作業員の方々、心血を注いできた農業や酪農の行く手を放射能汚染によって阻まれていのちを絶った方々、産まれてこられなかった子どもたちとご遺族の皆さまに、改めて衷心より哀悼の意を表します。

      さらに、原発事故による土地や海や食べ物などの放射能汚染に苦しんでおられる地元福島県をはじめ東北・関東の各都県の方々と全国の皆さまにお見舞い申し上げます。

      福島原発事故により浮遊し堆積した放射性物質が放出する放射線による外部被曝の影響以上に、飲食と呼吸によって継続的に取り込む放射能による内部被曝の影響は、これからも継続し表面化する深刻な問題です。

      事故当初より減ったとはいえ、原発事故現場から放射性物質は今なお放出され続けており、福島・茨城両県の環境放射能水準は過去の平常時よりも高い水準を維持し続けています。関東と東北を含む広範な地域にも、堆積放射能によるホットスポット的な高濃度汚染地があり、看過できない状況です。さらに、放射性降下物は水の流れとともに徐々に下流に移動するため、下流域の河川や湖沼・港湾ならびに海の放射能汚染は、これから深刻になることが予想され、農林水産物の安全性が危惧されます。

      福島原発が依然として不安定な状態にあるにもかかわらず、政府が「収束宣言」を発表して幕引きを図ったことや、高線量下に置かれた住民に対する保護責任を果たそうとしないことは大問題です。

      旧ソ連邦のチェルノブイリ原発事故で被曝したロシア、ウクライナ、ベラルーシでは、住民の健康保護のために年間被曝線量5ミリシーベルト以上の地域は「移住義務区域」、1ミリシーベルト以上の地域は「移住権利区域」として、住民の被曝を防護しています。それに対して、日本では「避難指示解除準備区域」は 年間被曝線量20ミリシーベルト以下、「居住制限区域」は年間20〜50ミリシーベルト、「帰還困難区域」は 現時点で年間50ミリシーベルト以上」と極めて高い線量を設定しています。このことは、国際的にみても大問題です。日本の市民がチェルノブイリ原発の周辺の市民よりも放射線に対する抵抗力が何十倍も高いはずがありません。私たちは、政府に対しては、市民の健康を守る施策を緊急に実施することを強く求めます。

      肥田舜太郎名誉会長の発足挨拶「内部被曝の被害と闘うために」(下記)にあるように、当会は、市民と科学者が一体となって、内部被曝を含む被曝問題に積極的に取り組み、子どもたちをはじめとする全国の市民を守るために努力してまいります。     

      【市民と科学者の内部被曝問題研究会(略称:内部被曝研) 事務局】

      http://www.acsir.org/


      内部被曝の被害と闘うために 

      「市民と科学者の内部被曝問題研究会」名誉会長 肥田舜太郎

       2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故後、5月初め頃から子どもの症状などを訴える母親からの電話相談が増え、広島、長崎原爆の特に入市被曝者に多く見られて放射能による初期症状によく似た状況から、私は原発から放出された放射性物質による内部被曝の症状だろうと直感し、その後の経過に注目してきている。

       子どもを持つ母親の放射線被害に対する心配と不安は想像以上に大きく、全国的に広がっている。これに対する政府、東電、関係学者、専門家の姿勢や発表の内容は、ほとんどが国民の命の危険と生活に対する不安の声に応えるものでなく、原子力発電の持続と増強を求める業界の声に応えるものと受け取らざるをいない実情である。筆者の経験によれば、学習し合い明らかにしなければならない課題は、

       (射線そのものについて

      ◆ヽ杏被曝、内部被曝の意味

       自然放射線に対する人間の持つ免疫能力

      ぁ/郵放射線(核兵器の爆発、原子力発電所で作られる)と人間との関係

      ァ(射線被曝による被害の治療法はなく、薬も注射も効果はないこと

      Α(射線被害に対しては被曝した個人が自分の生命力の力と生活の仕方で病気の発病を予防し、放射線と闘って生きる以外にないこと

      А(射線の出ている原発からできるだけ遠くへ移住し、また放射線で汚染された食物や水を飲んだり食べたりしないことといわれるが、それができる人にはよいことだが、できない人はどうするかが極めて大事なことで、この問題にどう応えるのかが、この問題の最重要課題である。

       内部被曝研究会は今でもいろいろな職種の人が集まっていて、医師や弁護士や学者がいれば、肩書きも特殊な技術もない一般職の方々もおられると聞いている。それらの方々が心と力を合わせて放射線の内部被曝の被害と闘っていく方法や道筋を、話し合い、相談し合って、少しでも有効な方向を見つけ、発信し、学習し、実践して、今まで人類が経験したことのない課題に立ち向かう出発点に立っている。何もかもが未知の新しい道を歩くのだから、みんな遠慮なく発言し、みんなで考え、一致したことを確実に行っていくことになる。

      市民と科学者の内部被曝問題研究会編『内部被曝からいのちを守る』(旬報社、2012)より要約抜粋
      2012.03.10 Saturday

      「食品の新規制値」決定プロセスで現れた「やらせ」に抗議する 2012年2月19日 市民と科学者の内部被曝問題研究会 代表者 沢田昭二

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        食品に含まれる放射性セシウムの新基準値(案)について、厚生労働省は意見公募(2012年1月6日〜2月4日)を実施しました。この公募には、約1700件の意見が寄せられ、もっと厳しくすべきだとの意見が約1400件(82%)(厳しすぎるとの意見は約40件)と圧倒的に多かったと報道されています。文部科学省の放射線審議会は、この案の妥当性について諮問を受け、1月16日これを了承する答申をまとめ公表しました。

        ところが、放射線審議会前会長(東北大学名誉教授)中村尚司氏および現会長の丹羽太貫氏が、複数の関係学会会長に「やらせ」の意見提出を各学会会員に要請する文書を出していたことが判明したのです。それは、「(厳しすぎる基準は)安全性の評価と社会的、経済的影響に関する検討がなされておらず紛糾している」などとして、関係学会関係者を通じて学会下部組織の会員らに要請文をメールで送ったという趣旨の報道(2012年2月16日、17日付全国各紙、共同通信)です。

        放射線審議会が、答申に別紙を付して「答申が厳しすぎる」旨を表明する見通しだったとしても、両氏が反対意見の提出を関係学会に要請することは絶対に許されず、放射線審議会による明らかな「やらせ」と言わざるをえません。

        これは、公職の「放射性審議会長」に在った者あるいは現にある者が世論偽装工作に関与したことを明白に示すものであり、民主主義国家にあるまじき行為ですから、見過ごすことは断じてできません。私たちは強く抗議し、厚生労働省と文部科学省に対して、国民の前に真相を明らかにし、事実の経緯と責任の所在をはっきりさせることを要求します。

        この要請文に対して、小宮山洋子厚生労働相は、17日の記者会見で「あってはならないこと。(反対意見の動員は)パブコメの本来の趣旨に反する」と批判したそうですが、当然の反応でしょう。しかし、平野博文文部科学相は「専門家としての行動。審議会の議論に影響を与えていれば問題だが、そういう事実はない」と話した(17日、共同通信)とあり、看過できません。

        いわゆる「原子力村」の強引な民主主義に敵対する行為が引き続いて生じること自体が、日本の原子力・放射線管理を巡る「安全神話」の危険な醜態を如実に示しています。8カ月前の2011年6月、玄海原子力発電所2、3号機の運転再開に向け、経済産業省が主催し生放送された「佐賀県民向け説明会」実施にあたり、九州電力が関係会社の社員らに、運転再開を支持する文言の電子メールを投稿するよう指示していた「世論偽装工作事件」(サクラ、やらせ)は、未だ記憶に残っています。

        「原子力村」の一翼を担う科学者集団としての学会が、かかる反民主主義的、非科学的行動を続けているのです。

         そもそも、元会長らが要請理由の第一に挙げる「安全性の評価と社会・経済的影響に関する検討がなされていない」ということは、率直に言えば、放射線の管理を「人間の命と健康を守るために行う」のではなく、「東電と政府の事故に対する責任を如何に少なくするかの検討をしないといけない」という意味であり、ICRP(国際放射線防護委員会)の“ALARA勧告”などに謳われている、「原子力村」だけがメリットを得る手前勝手な功利主義そのものです。

         「電力を得るという公共のメリットのためには犠牲が出てもかまわない」という考えは、憲法の基本精神である「個の尊厳」と、25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定されている精神に、真っ向から反する憲法違反の考え方です。

         犠牲の強要をシステムとして住民に押し付けなければやっていけない原発は、もともと存続させる根拠が無かったのです。住民への犠牲の強要は、事故が起これば途方もなく大きくなります。事故で放出される放射能で汚染されることは、住民には何のメリットもありません。功利主義の前提条件にも反します。東京電力は全存在を掛けて、住民の被曝を防護しなければなりません。

         ドイツでは、一般住民の年間被曝限度は0.3ミリシーベルト(mSv/年)です。日本でも、内部被曝も考慮して住民の被曝を防護するためには、ドイツ並みの被曝限度にしなければ、住民の健康を守ることは不可能です。新基準値は少なくともドイツ並みの5ベクレル(Bq/kg)程度にするべきです。放射線感受性の高い乳幼児向けの乳幼児食品が50ベクレルとはもってのほかで、1ベクレルにするべきです。

         今後、汚染は長期にわたって続きます。チェルノブイリ周辺の住民は、貧しいがゆえに放射能汚染食品を食べなければなりませんでした。一方、日本では、政府の強制で汚染食品を食べさせられようとしています。私たち住民は、真剣に被曝ゼロを目指すことを求めなければ、自らの命を守れません。

         少なくとも百年先を見通しながら、農業・畜産業・林業・水産業を続け、伝統文化を守り発展させ、食糧自給率100%を目指すためには、家族ぐるみ、集落ぐるみ、村・町ぐるみの集団疎開が、緊急の必要条件です。

         この長期的プロジェクトは、中央政府が大きな基金を準備して財政的に支える仕組みをつくらない限り、不可能です。被曝し続けている子どもたちのいのちをまもるために、多額の税金も投入するべきです。自然環境を守りながら安全な食糧を生産するために、多額の税金も投入するべきです。これこそが、真の意味での国の防衛ではないでしょうか。

         私たちは、子どものいのちを守る立場から、このような原発推進者側の「やらせ」行動を厳しく糾弾し、以下の2点を強く要求します。

        1)厚生労働省と文部科学省に対して、遅くとも今年3月中旬までに、国民の前に「やらせ」の真相を明らかにし、事実の経緯と責任の所在をはっきりさせること。

        2)圧倒的多数の市民の意見・希望に応えて、さらに厳しい食の基準値を定めること。

        以上
        2012.02.28 Tuesday

        当会の松井英介、矢ケ崎克馬両氏に、第23回久保医療文化賞! 表彰式が行われました。

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           2012年2月26日(日)東京北区の赤羽会館で、当会の松井英介、矢ケ克馬両氏の「第23回久保医療文化賞」表彰式がが行われました。母体となる「久保医療文化研究所」は、ポリオ生ワクチン緊急輸入を実現させた故久保全雄(まさお)医師の基金で設立され、環境や公害、戦争や医療問題など、社会の中で人が「生きる条件」とは何かを探る活動と研究を行ってきました。コツコツとした実践を行ってきた方々へ「久保医療文化賞」の顕彰は毎年行われています。
           当日は、午後2時過ぎから6時半ごろまで、両氏への表彰と記念講演が行われ、関係者や一般聴衆など約60人が参加しました。また、その後両氏のご家族をふくめレセプションが開かれました。
           松井さんは、当日午前まで札幌、函館と連日講演、雪の北海道から空路駆けつけるという「離れ業」。矢ケさんも、沖縄から駆けつけました。表彰式・記念講演も「時差挙行」となるなど異例の事態でした。常に、国民の中で「いのち」を考え、ともに「生きる道」を考える両氏ならばこその「受賞風景」でした。
           また、授賞式とレセプションには、95歳の肥田舜太郎さんも駆けつけ、今朝の電話だとして、福島で進行しつつある内部被曝の事例をあげ、医者としての有り様を問いかける、発言を行いました。
          受賞する松井さん
          受賞する矢ケさん






          2012.02.19 Sunday

          「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について」

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            件名  「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について」

            ご意見

              私たち「市民と科学者の内部被爆問題研究会」は、内部被曝を含む放射線による人

            体影響を科学的に明らかにし、現在の東電福島原発事故による放射線被害を避けるよ

            う市民社会に訴え、行政にも反映せることをめざしています。放射性物質を含んだ食

            物が流通しているので、原則的な考え方、根本的な方法で、食物をとおしての被曝回

            避を図らねば、全住民が深刻な被曝を受け続けることとなり、子どもの「安全な環境

            で成長し教育を受ける権利」は侵され続けます。

             上記の視点で改正された「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」を読んだ結

            果、以下に述べる5点の問題点を指摘し、その問題点に関する意見と提言を行いま

            す。



            問題点1. 「1.放射性セシウムスクリーニング法」に記載されているように「広範囲

            の食品に放射性物質が含まれる事態となっている」にもかかわらず、「分析対象」を

            「放射性セシウム(Cs-134及びCs-137)に限っていること。

             測定にあたって「他の核種の影響を最小に抑える必要がある」、「環境・試料中に

            存在する他の核種の状況が変わった場合には、エネルギー範囲の設定を再確認する必

            要がある」と、セシウム以外の核種の存在を認めながら、測定に際して除外を指示し

            ていること。



            問題点1に関する意見と提言

            ●セシウムだけではない放射性物質:ストロンチウム、プルトニウムの測定を

            福島原発から放出された放射性物質は放射性セシウム(セシウム137+134)だけで

            はありません。物理学的半減期が約29年とセシウム137(半減期30.2年)とほぼ同

            等であり、骨に沈着して排泄されにくい核種であるために生物学的半減期が18年も

            あるストロンチウム90や、毒性が高いα核種であって半減期が24100年もあるプルト

            ニウム239などを無視しています。これらを食品として摂取したことによる被曝線量

            を加えて計算するべきで、放射性セシウムだけで年間内部被曝線量1mSvとするのは

            間違っています。

            チェルノブイリ事故と違ってストロンチウム90の放出が少なかったという見解には

            根拠が乏しく、ましてや今も続いている汚染水に含まれて海洋汚染をしたストロンチ

            ウム90についての調査もされておらず、その汚染についてはまったく把握できてい

            ない実態があります。魚などの水産物の汚染が最も危惧されます。ストロンチウム

            90についても、基準を設定し、測定をすべきです。都道府県の研究機関ではストロ

            ンチウム90の測定能力があるにもかかわらず生かされていません。



            問題点2. 「対象食品」を「一般食品」に限定し、乳児用食品、牛乳、飲料水を除外

            していること

            問題点2に関する意見と提言

            ●早急に全食品の調査体制を

            現状の調査点数はあまりにも少なすぎます。放射能汚染地ならびに汚染の可能性があ

            る地域については、早急に、全食品の綿密な調査体制を構築するべきです。すなわ

            ち、’精酳については各田畑の種類ごとの生産品を出荷前に複数調査する体制、

            畜産物については各生産者の種類ごとの生産品を出荷前に複数調査する体制、水産

            物については各漁港等の種類ごとの水揚げ品を出荷前に複数調査する体制、の啝

            物、その他についても同様の体制を、早急に構築するとともに、汚染度の高い生産品

            については出荷制限を厳格に行うことを要求します。

            大手流通業者の中には、独自に全品測定を行い、暫定基準の10分の1の自主基準を表

            明したところもあります。そうした動きを法的に支援し、助成していくことも重要で

            す。

            ベラルーシやウクライナでは国家予算のかなりの部分を割いて食品放射能測定体制を

            整えています。例えば、全国に2万4千校ある小学校の全てに食品放射能測定装置を

            配備して、小学校区単位で住民が気軽に食品の測定が出来るようにすることも決して

            難しいことではありません。



            問題点3 「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の考え方」「1.スクリーニン

            グ法」では「検査の目的は、食品衛生法で規制された食品を流通させないことであ

            る」と謳っていること

            問題点3に関する意見と提言

            ●流通生産の厳格なモニタリングを

            新基準を決めてもそれが即座に実行されず、市民の健康よりも流通の混乱を危惧する

            ということを根拠にモラトリアムが設けられるのは、市民の健康の軽視です。3月一

            杯は高い暫定基準を継続させ、米と牛肉は少なくとも9月まで、大豆は年内一杯ま

            で、暫定基準が適用されるとなっています。基準が決定したなら即座に適応されるべ

            きです。

            さらに、新基準適用後に出るであろう大量の基準超過食品の行方を厳格にモニタリン

            グする必要があります。万が一にも、偽装や検査漏れによる市場での流通や、あるい

            は途上国への援助物資に混入させるようなことがないよう、監視体制が必要です。

            また、新基準の適用にともない、作付制限農地も大幅に拡大するはずで、この監視も

            必要です。これまでの作付制限基準、土壌5000Bq/kgは、土壌から作物への移行係

            数を1:10として、食品の基準500Bq/kgを根拠に決められていました。同じ計算な

            ら、500Bq/kg以上の農地での作付が制限されることになるはずです。



            問題点4 「1.放射性セシウムスクリーニング法」「5 検査結果の記載」に「スク

            リーニング結果の測定値は参考値として記載し、測定下限値以下の場合は測定か現地

            を明記した上で、その旨を記載する」と極めて不明瞭な文言(各食品に記載するの

            か、「その旨」が実際の計測値なのか不明)となっていること

            問題点4に関する意見と提言

            ●放射性物質の含有量を食品表示に

             政府は、今回の新基準案を見直し、少なくともICRP勧告の外部被曝と内部被曝の合

            計値としての年間被曝限度1mSv/年を一般公衆のぎりぎりの上限として、納得できる

            基準を再度設定するべきです。

            その基準を実効あるものにし、食品含有放射性物質摂取リスクの自己管理を可能にす

            るために、食品の全品検査体制を早急に整備し、放射性物質含有量の全品表示を実現

            することが急務です。特に、子どもたちの健康を考慮すれば、まずは汚染度の高い東

            北、関東、中部地方から順に、全小学校区に食品放射能測定装置を設置し、測定オペ

            レーターを養成・配置することが必要です。

            なお、念のため付言すれば、出荷制限を受けた生産者に対しては、十分な補償をする

            べきであることは論を待ちません。



            問題点5 「1.放射性セシウムスクリーニング法」には「平成24年4月1日より施行さ

            れることとなった」食品衛生法の規格基準を受けて、「一般食品の基準値である

            100BQ/KGに適応できるようスクリーニング法の見直しを行った」とされています

            が、もととされる新基準に問題があること

            問題点5に関する意見・提言

            ●新基準の被曝限度はまだまだ高すぎます

            昨年12月22日、食品含有放射性セシウムについての新基準案が厚生労働省の審議会

            で了承されました。

            放射性セシウムについて、飲料水が10Bq/kg、それ以外の一般食品が100Bq/kg、乳

            児用食品と牛乳が50Bg/kgと、暫定基準に比べれば低くなったものの、放射性物質

            の人体への影響を考えれば、いまだ不十分です。

            放射線リスクには閾値がないことはICRPでさえも認めるところであり、一般公衆の年

            間被曝限度を1mSvとしています。しかし、貴省は、新基準案では基準設定にあたっ

            て、生涯累積実効線量を100mSv(当初は外部被曝と内部被曝の合計とし、最終的に

            は理由抜きで内部被曝だけとした)が基本となっており、かつ食品の摂取による内部

            被曝だけで一般公衆の年間被曝限度1mSv/年を充てていることは、非科学的であり認

            めることができません。

            以上

            氏名(法人名)市民と科学者の内部被爆問題研究会

            代表者 澤田昭二
            2012.02.15 Wednesday

            リンク

            0
              CRMS 市民放射能測定所:
              http://www.crms-jpn.com/


              セイ・ピース プロジェクト
              http://saypeace.org/



              子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
              http://kodomozenkoku.com/


              明日うらしま」
              在ベルリンジャーナリスト・梶村太一郎の反核覚え書き
              http://tkajimura.blogspot.com/




              Schlechte Darstellung im Email-Programm? Im Browser aufrufen.


              フクシマ・ニュースレター、2012年02月11日


              2012.02.14 Tuesday

              日本政府への提言(2012年1月27日発表)

              0
                2012年1月27日

                内部被曝の拡大と健康被害を防ぐ為に政府がとるべき安全対策
                (提言)
                市民と科学者の内部被曝問題研究会

                東日本大震災にさいして起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故(東電事故)は深刻な被害をもたらしています。広範な地域が汚染され、多くの人々が被曝して、いのちと暮らしを脅かされています。これに対して私たち「市民と科学者の内部被曝問題研究会」は、日本政府に対して、「人間は核=原子力とともに生きていける」との考えを根本的に改め、汚染地域には住み得ず、農林水産業はできない、との前提で、国家100年の計を策定することを求め、緊急にいくつかの提言を行いたいと思います。

                 原発事故による放射線被曝の主要なものは、呼吸や飲食を通しての内部被曝です。政府や政府に助言する専門家は、被曝影響の評価を主として測定しやすいガンマ線に頼っています。しかし、内部被曝では、ベータ線やアルファ線がガンマ線よりもはるかに大きな影響を与えます。政府と東電は、ベータ線を放出するストロンチウム90や、アルファ線を放出するプルトニウム239などの測定をほとんど行っていません。内部被曝の特性とその健康影響を意図的に無視し続けているのです。

                 その背景には、アメリカの核戦略や原発推進政策があります。これらの政策の影響下で組織された国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)などの機関は、広島・長崎原爆の放射性降下物による被曝影響を無視した放射線影響研究所の研究に依存しています。日本政府は福島原発事故の被曝に関しても、「100mSv以下では病気を引き起こす有意な証拠はない」とするなど、事実を覆い隠し、被曝限度に高い線量値を設定して、市民のいのちを守ろうとはしていません。また、世界保健機構(WHO)はIAEAと放射線被曝問題を除外する協定を結んでいます。

                東電事故以来、政府はICRPの勧告を受けて、被曝限度値を通常の年間1mSvのところを突如20mSvにつり上げました。事故があったからといって、人間の放射線に対する抵抗力が20倍になるというようなことは金輪際ありません。本来は事故を引き起こした東電と原発推進を図ってきた政府の責任で、住民の被曝回避にあたらねばならなりません。逆に、この措置は住民の保護を放棄し、住民を長期にわたり被曝さるにまかせて、事故を起こした者の責任と負担を軽くするためのものです。住民のいのちを犠牲にする棄民政策です。日本国憲法第二十五条には、主権者として保障されるべき権利として、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と明記され、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と記述されているのです。

                事故後10ヶ月を経過し、事故の被害は全住民に広がろうとし、今なお拡大の一途をたどっています。放射能汚染は福島に留まらず、日本全域に広がっています。陸だけでなく海の放射能汚染も深刻です。放射能汚染は、長期間続き、被曝の被害はますます深刻になることが予測されます。中でも深刻なのは、放射性物質を含んだ食物が、全国に流通していることです。原則的な考え方、根本的な方法で、食物をとおしての被曝回避を図らねば、全住民が深刻な被曝を受け続けることとなります。子どもの「安全な環境で成長し教育を受ける権利」は侵され続けます。

                 野田佳彦首相は「原子炉が冷温停止状態に達し発電所の事故そのものは収束に至ったと判断」し、「事故収束に向けた道筋のステップ2が完了した」と宣言しました(2011・12・16)。しかし、圧力容器の下部にはメルトスルーで生じた穴が空いており、核燃料の状態も把握されていません。四号機の倒壊も懸念されています。汚染水を垂れ流しながら「安定冷却できている」とするにはあまりにも不安定な状態です。いつまた核分裂などの暴走が起こるかわかりません。今、幕引きができるような状態では全く無いのです。



                私たちは次のような提言を行い、政府が速やかに実施することを求めます。
                1.住民の安全を保障できる体制確立
                原発を安全神話で進めてきた「原子力村」による委員組織ではなく、公正な立場から客観的に判断できる委員会を構成し、原子炉の破壊状況と原因を究明するとともに、住民の安全を最優先する立場から情報の迅速な全面公開を行うことを求める。
                2.子どもと被曝弱者を守る
                少なくとも、法定の年間1mSv以上の、放射能汚染が高い地域に在住する子どもを、即刻集団疎開させる。乳幼児、妊産婦、病人等の被曝弱者を即刻安全地域に移すこと。全ての保育園、幼稚園、学校の給食食材の安全を確保するために、産地を選び、きめ細かく精度の高い放射能測定を行う。
                3.安全な食品確保と汚染の無い食糧大増産
                住民に放射能汚染の無い食糧を提供すること。「健康を維持できる限度値」(現在の限度値の100分の1程度)を設定して限度値以上の汚染食品は市場に出さない。東電、政府の責任で生産者にも消費者にも生活保障と健康保障を行う。これからずっと続く食糧汚染を避けるために、休耕地を利用するなどして、非汚染地域で食糧大増産を行う。高汚染地の生産者には移住して生産の担い手になる権利を保障する。水産物の汚染も非常に危険な状態に入っている。全ての漁港・市場に放射線計測器を設置し、汚染されたものが流通しない体制をつくる。漁業者には補償を行う。
                4.除染、がれきなどの汚染物処理
                ずさんな除染は非常に危険であり、効果も期待できない。一般住民に、除染作業による被曝をさせてはならない。放射能拡散を防ぐため、汚染がれきなどは、放射性物質を放出した東電の責任において収集し、原発敷地内に戻す。
                5.精度の高い検診・医療体制の確立
                内部被曝を軽視するICRP等により、現状の医学・医療現場は放射線の影響を過少評価している。からだのあらゆる部位にあらゆる疾病の出現が懸念される。これらを丁寧に治療できる医療体制を即刻実現する。保障対象の疾病を制限することなしに、放射能被害者の無料の検診・医療制度を確立する。
                2012.01.22 Sunday

                ブックレットを出版・内部被曝からいのちを守る (なぜいま内部被曝問題研究会を結成したのか)

                0


                  旬報社より、内部被曝研の発足にあたってのブックレットを刊行しました。

                  内部被曝からいのちを守る (なぜいま内部被曝問題研究会を結成したのか)

                  上記のホームページで、購入できます。


                  原爆から福島原発事故まで、内部被曝の危険性を
                  訴えてきた研究者・医師による研究成果と
                  福島など被災地で活動をしている市民の報告。

                  いのちを守るため、わたしたちにできることを考える。
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